Story

1912年、第一次世界大戦勃発直前のイングランド。郊外の田園にたたずむ大邸宅“ダウントン・アビー”で暮らす貴族グランサム伯爵一家のもとに、豪華客船タイタニック号沈没の悲報が飛び込む。グランサム卿の跡継ぎとして家督を相続するはずだった長女メアリーの婚約者が帰らぬ人となり、一家はパニックに陥る。女性には相続権がなく、グランサム卿には娘しかいないため、遠縁に当たる人物が邸宅を引き継ぐことになったからだ。よそ者に財産を引き渡したくないグランサム卿の母親バイオレットと妻コーラは、策謀をめぐらせる。同時に、野心家のメアリーも独自で新たな有力者を結婚相手に見つけようとするのだった。

一方、邸宅では大勢の使用人たちが働いていたが、そこへ新たにボーア戦争で負傷し左足が不自由の男ベイツが伯爵付従者として赴任してくる。意地の悪い伯爵夫人付侍女オブライエンと第一下僕トーマスはベイツへの嫌がらせを始めるが、彼の仕事ぶりを認める者や、密かに思いを寄せる者もいた。時代の過渡期において、一家を取り巻く社会状況の変化と共に邸宅の人間関係にもまた大きな変化が訪れようとしていた―。