Thomas special feature/
トーマス特集

魅力的なキャラクターが次々登場する「ダウントン・アビー」。それぞれファンの思い入れはあるものの、やはり人気者といえばこの人、トーマス・バロウ。シーズン1では完璧に整った容貌に、制服姿も凛々しい第一下僕として女性視聴者の目を釘付けにしました。しかし、そのイケメンぶりからは想像もつかない腹黒さと性格の悪さも同時に露呈!また当時の英国では禁制であるゲイという設定も手伝って、瞬く間に全視聴者の注目の的に。オブライエンと組んでの新参従者ベイツいじめ、デイジーに恋するウィリアムに対しての非道なふるまい、下僕にあるまじき手くせの悪さ、なんとしても下僕から這い上がろうとする野望の数々……。「トーマスが動けば何かが起こる!」とファンの期待(?)も煽られっぱなしです。悪知恵を駆使したあげく大失敗して悔しがる姿もご愛嬌、なぜか憎めず、呆れながらも愛さずにはいられない稀有なキャラクター、トーマス。さて彼の行く末や如何に?

【シーズン1】

「下僕はイケメン限定!」という英国貴族のお約束に見事に応える“ダウントン・アビー”の第一下僕トーマス。お仕着せをスマートに着こなし、ヘアスタイルにも一分の隙もありません。こんな美男子にお迎えされたらお客様だけでなく御令嬢たちのテンションも上がろうというものです。

貴族たちの前では決してミスなどしません!スマートにかいがいしく貴族たちをサポートし、気が利く働き者ぶりをアピール。高価な銀食器の扱いや繊細さが要求されるディナーの給仕などもソツなく華麗にこなします。トーマスの本性を知る執事カーソンですら、トーマス抜きではお邸を円滑に回すのに一苦労です。

トーマスの嫌味と後輩いじめに耐えてきた第二下僕のウィリアムも、とある暴言にたまりかねてバクハツ。こうなると体格ではいささか分が悪いトーマス、やられっぱなしです。けれども自分の口が招いた災いですから、当然ながら皆ウィリアムの味方。往生際悪く捨てゼリフを吐いて退場するまでがお約束です。

高貴なお客様、麗わしの公爵が登場!なぜか彼は自分の身の回りの世話役としてトーマスを御指名。大喜びでお世話をするトーマスでしたが、実は彼らの間には大きな秘密が――!いつかは公爵の従者として“ダウントン・アビー”から飛び出し、出世するつもりのトーマスでしたが…?

貴族たちの恒例行事“狩り”の朝。広い猟場に馬で出かける貴族たちにケーキとドリンクの軽食をお持ちするのも下僕の勤めです。こうして見るとやはり下僕は「顔」!黒髪のトーマスと金髪のウィリアムを揃えるところは、“ダウントン・アビー”もなかなか良いセンス?

珍しい私服姿のトーマスです。これは村のお祭りに、使用人仲間と出かけるところ。ジャケットにネクタイ、コートに鳥打帽。私服でも手を抜かないトーマスはその辺の村男たちとは違い、こざっぱりしてオシャレです。ネクタイやジャケットの趣味も、彼なりのこだわりで選んでいるのかもしれません。

メイド長のアンナと。背後には従者のベイツが。これから公爵をお迎えする大事なシーンです。トーマスのシミひとつない白シャツが黒のベストやジャケットに映えています。アンナのエプロンも縁飾りのレースたっぷりの来客用。貴族邸の美意識は使用人の衣服にまで及びます。

【シーズン2】

邸での手くせの悪さが露見しかかり、うまい具合に勃発した戦争に乗じて軍隊に志願。戦闘には加わらない衛生兵になれたものの前線の厳しさにすぐさま音を上げ、とっとと離脱しようと考える、それがトーマスという男。重病か重傷でなければ帰れない状況で彼が取った手段はとんでもないものでした!

戦場からまんまと離脱したトーマス、なんと次の仕事場は古巣“ダウントン・アビー”。病院と化した邸で責任者の任につくという棚ボタ的幸運を掴みます。もう下僕でもなく、「責任者のバロウ伍長」。えらくなったものです!かつての上司・カーソンに仕返しするチャンスも到来、まさにこの世の春!

黒い手袋をはめているのは怪我をしているからなのですが、利き手の右でなく左手というのがまた絶妙。軍服姿も良いですが、雄々しく突撃する兵士にはほど遠いのが実にトーマスらしいですね。衛生兵なら戦わずにすむからという発想も小ずるい性格を如実に表しています。

どうです、この態度。女性陣を従えて、かつての使用人食堂で「病院責任者」アピール中。けれども、えらい人アピールの割には食事をみんなと一緒に食堂で食べたり、全然貴族たちの中に入っていけなかったりして、そんなところが小心者というかなんというか…。自分が一番えらいという態度に皆うんざりです。

【シーズン3】

戦争が終われば“ダウントン・アビー”病院も終了、すると病院の責任者も必要ないわけで……。またも職を失いかけたトーマスはスペイン風邪や結婚式の準備で絶望的に人手が足りない“ダウントン・アビー”に実にさりげな~く復帰するという離れ業。しかも今度の役職はまさかの…!?

「ダウントン・アビー」の面白さの一端を担っているのは、このトーマスの立身出世物語かもしれません!這い上がろうとしては失敗し、時勢を読んでは姑息な手段を使って苦境から逃げたり金儲けしようとしたり、とにかく人間臭さを目いっぱい発揮しているトーマス。視聴者はそんな彼に自分を重ねたりしているかもしれませんね。シーズン1では悪巧み三昧の意地悪青年が、シーズン2で戦争を経験し、傷痍軍人に献身的に尽くすシーンは大きな話題となりました。シーズン3でも彼には様々なことが起こるようです!